表 題 |
: |
レジオネラ症のリスクマネジメント[1] レジオネラ属菌の細菌学 |
著 者 |
: |
宮本比呂志(佐賀大学医学部微生物学・寄生虫学分野) |
掲 載 |
: |
防菌防黴,Vol.38,No.2,pp.99-111(2010) |
レジオネラ属菌はグラム陰性の好気性桿菌であり,2009年までに51菌種が正式に命名されている。基準種はLegionella pneumophilaである。レジオネラ属菌は水中,土壌中及び細菌捕食性原虫内で増殖しつつ自然界に棲息し,ヒトに肺炎(在郷軍人病)やインフルエンザ様症状(ポンティアック熱)を起こす病原性を持っている。レジオネラ症患者から分離される菌種の90%以上はL. pneumophilaであるため,51菌種のうちでL. pneumophilaの研究が最も進み,多くの知見が蓄積されている。そこで,レジオネラ属菌の性質を明らかにするために,L. pneumophilaの性質を基準に,レジオネラ属の菌種間での性質の共通点と相違点について解説した。加えて,分子細菌学的な知見が多く集積されているL. pneumophilaの感染学についても紹介した。
Key words |
: |
レジオネラ/在郷軍人病/ポンティアック熱/Legionella pneumophila/肺炎/アメーバ/原虫. |
|
|
|