日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 38, No.11 (2010)



表 題 木材保存の現状と将来[8] 木材の防腐,防カビ技術(1) 建築現場における防腐,防カビ処理
著 者 前田恵史((株)コシイプレザービング)
掲 載 防菌防黴,Vol.38,No.11,pp.743-750(2010)

建築用材として使用される木材や木質材料は,通常乾燥した状態で建築現場に供給される。しかし,建築現場では台風などの影響によりせっかく乾燥した状態の木材が雨水により水分を含むことになる。結果として,かびの原因となり,これがクレームとして返ってくる。また,建築後時間を経過した住宅では,壁面やベランダなどに発生したクラックからの雨水の浸水や,水仕舞の不備あるいは漏水などは避けがたく,特に住宅の強度に関与する構造部材が,水に濡れることにより腐朽の被害を受けた場合は,耐震性への問題が発生する。住宅の長期間保障には,定期的なメンテナンスが必要であるが,メンテナンスが難しいこれらの重要な部分に使用される木材には,長期間の耐久性を確保できる加圧注入処理が適切である。
Key words プレカット/含水率/養生/クラック/長期優良住宅/メンテナンス/表面処理/加圧注入処理/耐震性.