日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 39, No.3 (2011)



表 題 プラズマ滅菌・殺菌[19] ガスプラズマ滅菌の再現性のある無菌性保証達成に於ける BI 作成ならびに使用の注意点
著 者 新谷英晴(中央大学理工学部),作道章一(琉球大学医学部保健学科生体代謝学分野)
掲 載 防菌防黴,Vol.39,No.3,pp.167-173(2011)

従来のガスプラズマ滅菌に於いての BI の使用にはクランプの有無が慎重に考慮されず,その結果,頻繁にテーリング現象が現れることに留意がなされていなかった。テーリング現象が見られた場合,その滅菌で得られた D 値は再現性が無く,またその D 値を用いても無菌性保証水準(SAL)である10-6には到達できない。テーリング現象と BI のクランプとは今回の実験の結果有意に関係することが分かったため,ガスプラズマ滅菌実施にあたっては予め走査電子顕微鏡で BI のクランプの有無を調べ,クランプがあればクランプフリーの BI との交換を求めることを使用者に推奨する。ATCC7953 の106CFU が塗布されていることの確認でクランプフリーの BI 使用により3回の繰り返し実験で生残曲線にテーリングは認められず,得られた D 値から初期菌数106CFU から SAL10-6までの12 D 時間の滅菌で SAL10-6の無菌性保証が達成された。
Key words Gas plasma sterilization(ガスプラズマ)/Biological indicator(生物指標)/Clumping(クランプ)/Tailing(テーリング)/Survivor curve(生残曲線).