日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 39, No.8 (2011)



表 題 注目されるウイルス感染症と制御対策[13]
透析施設におけるウイルス院内感染の予防対策
著 者 大薗英一(日本医科大学微生物学免疫学,越谷大袋クリニック)
掲 載 防菌防黴,Vol.39,No.8,pp.483-493(2011)

透析施設の感染対策として最も重要なものは,HBV・HCVなど血液媒介感染の制御である。これは,大量の血液を取り扱う処置を同時並行で多人数行う,という治療形態上の特性とかつて輸血が大量に行われ陽性者が多いことによる。対策の基本は標準予防策である。さらに透析室特有の対策として,陽性者を隔離する感染源管理と清潔・不潔を考慮した動線管理を規定している。実際に感染対策が普及し,ディスポ化や薬剤のプレフィルド化による汚物動線のフールプルーフ化によってHCVの陽性率は低下した。
Key words Standard precaution(標準予防策)/Blood-borne infection control(血液媒介感染予防策)/Grouped therapy(集団治療)/Hepatitis B virus(B型肝炎ウイルス)/Hepatitis C virus(C型肝炎ウイルス).