表 題 |
: |
くらしと微生物[16] 温泉 |
著 者 |
: |
古畑勝則(麻布大学・生命・環境科学部・微生物学研究室) |
掲 載 |
: |
防菌防黴,Vol.39,No.9,pp.543-548(2011) |
2002年のレジオネラ症集団感染以来,行政的にはその対応にかなり力を入れてきたはずである。そこで,今回の温泉水におけるレジオネラ属菌の生息調査では検出率の低下を期待して行った。ところが,5年前の調査結果と大差なく,期待は見事に裏切られた。やはり元来,自然環境に棲息するレジオネラ属菌を我々人間がコントロールしようと考えること自体が浅ましいのかもしれない。さすがはレジオネラ属菌である。一方,レジオネラ属菌対策としてゼロを目指す必要はまったくなく,そんな不可能なことを考えても意味がない。これからもレジオネラ症を起こさないように常に見張っていくことが我々の責務である。
Key words |
: |
Legionella spp.(レジオネラ属菌)/Hot spring water(温泉水)/Biofilm(バイオフィルム). |
|
|
|