日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 39, No.9 (2011)



表 題 プラズマ滅菌・殺菌[10] 大気圧プラズマによるバイオパーティクルの不活化とそのメカニズム
著 者 安田八郎,水野 彰(豊橋技術科学大学 環境・生命工学系 静電気応用工学研究室)
掲 載 防菌防黴,Vol.39,No.9,pp.555-561(2011)

大気圧下における非平衡放電プラズマを利用する殺菌法は,薬剤が不要,被照射物に熱負荷をかけない,短時間で効果を発揮する等の利点を持つ。プラズマによるウイルス不活化のメカニズム解析を目的として,プラズマで不活化されたバクテリオファージからDNAを抽出してトランスフェクションを行い,不活化されずに残ったDNAの割合を計測した。2重鎖DNAを持つλファージでは不活化したDNAは少なく,コートタンパク質の変性が不活化の主な要因であった。環状1本鎖DNAを持つM13ファージでは,DNAの不活化がファージ不活化の主な要因であった。両ファージで異なる結果となったが,2重鎖DNAと1本鎖DNAではファージ活性測定時におけるDNA修復の度合に大きな差があるためと思われる。
Key words Bacteriophage/Bacteria/Plasma sterilization/Atmospheric pressure cold plasma(大気圧低温プラズマ).