日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 39, No.12 (2011)



表 題 微生物との戦いは永遠につづく! [2]微生物とは何ものか?-その生と死をめぐって
著 者 土戸哲明(関西大学化学生命工学部生命・生物工学科)
掲 載 防菌防黴,Vol.39,No.12,pp.759-766(2011)

人類は有史以来微生物と密接に関わり合ってきた。古来の醸造や環境浄化の微生物をはじめ人類にとって多くの有益な微生物が見出され,それらを利用するバイオテクノロジーの発展をもたらした。その一方で,病気を引き起こして人命を奪うものや,食品や医薬・医療,諸環境,工業材料,文化財などに汚染,劣化,腐敗などの被害や危害を与える有害な微生物と戦う,すなわち制御するバイオテクノロジーも重要である。このような微生物の作用を知る上で,そもそも微生物とはどのようなものかを知る必要がある。本稿では,とくに後者の立場から,微生物制御,とくに殺菌において常に根幹的な問題でありつづける微生物細胞の生と死に焦点をあてつつ,微生物とは何ものかについて考える。
Key words Microorganisms(微生物)/Living(生)/Death(死)/Microorganism control(微生物制御)/Growth(発育).