日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 40, No.1 (2012)



表 題 ディジタル顕微鏡方式細菌検出装置の微生物限度試験への適用
著 者 相澤昌嗣,飯田友峰,坪谷重利,武内真理子(武田薬品工業(株) CMC研究センター 開発分析研究所)
掲 載 防菌防黴,Vol.40,No.1,pp.9-16(2012)

ディジタル顕微鏡方式細菌検出装置(DMCS)の微生物限度試験(生菌数試験及び特定微生物試験)への適用について,28検体の医薬品試料(原料,原薬及び製剤)に15種類の供試菌株を用いて検討を行った。その結果,DMCSのコロニー測定能力は,生菌数試験及び特定微生物試験(大腸菌,サルモネラ,緑膿菌及び黄色ブドウ球菌)共に概ね目視と同等もしくはそれ以上の能力があることが確認できた。このことからDMCSは,微生物限度試験へ適用可能であることが示唆された。培養時間に関しては,生菌数試験(細菌類及び真菌類)は65時間以内,特定微生物試験の各選択寒天培地では14時間以内と,いずれの試験においても局方規定の最短培養時間以内で目視と同等の検出が可能であることが判明した。以上の結果,弊社医薬品の微生物限度試験で必要な培養時間は,局方記載の最短培養時間である,細菌類で3日,真菌類で5日及び特定微生物試験の各選択寒天培地の18時間で問題ないことが確認された。

Key words Digital Microscope Culturing System(ディジタル顕微鏡方式細菌検出装置)/Microbial examination tests(微生物限度試験)/Pharmaceutical products(医薬品)/Incubation time(培養時間).