浮遊ウイルス除去性能評価に対して, 供試ウイルス (大腸菌ファージ φX174, MS2) および温湿度条件が与える影響を評価した。 初期浮遊ウイルス数は, ウイルス原液濃度が影響し, MS2 を用いるほうがφX174 に比べ多くなった。 ウイルス噴霧液保存期間の影響を評価した結果, -40℃ で凍結保存した場合, φX174 では3ヶ月の保存で浮遊ウイルス数が劇的に低下した。 一方, MS2 では保存期間10ヶ月でも浮遊ウイルス数に減衰はなかった。 凍結保存したウイルスには, 保存期間が長くなると感染力が低下し, 浮遊ウイルス除去評価に供せない場合があることがわかった。 温湿度の影響を評価した結果, φX174, MS2 ともに, 低温, 低湿度の状態に設定することで, 初期浮遊ウイルス数が高く設定できた。 また, 温湿度をφX174 の場合 20℃ 以下60% RH 以下, MS2 の場合24℃ 以下に制御することで, 噴霧した浮遊ウイルス量の50%以上が, 2時間後の試験室内においても生存可能であった。
Key words |
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Airborne viruses (浮遊ウイルス) / Inactivation evaluation (不活化評価) / Bacteriophage (バクテリオファージ) /φX174 / MS2. |
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