抗生物質医薬品は， 薬事法第42条の 「保健衛生上特別の注意を要する医薬品‥」 という規定に基づき， 原薬及び製剤の全品目が 「日本抗生物質医薬品基準 （日抗基）」 に収載されてきた。 しかし， 近年の微生物の生産工程の著しい改良と天然物精製技術の急速な進展に加え， セフェム系抗生物質など主要な多数品目が化学合成工程を経て製造されている状況下では， 「保健衛生上特別の注意を要する医薬品」 として取り扱う必要性がなくなり， 現在では， 原薬は日本薬局方に， 製剤は日本薬局方外医薬品規格第四部に収載されている。 日本薬局方に収載されている多くの医薬品の定量は， 液体クロマトグラフ法が適用されているが， 複合成分からなる抗生物質の定量 （力価） については， 日抗基に収載されていた微生物学的試験法が適用されている。 ここでは， 抗生物質の微生物学的力価試験法の実際について述べる。