表 題 | : | 文化財の生物被害の現状と対策[2] 文化財保存におけるIPMへの取り組み |
著 者 | : | 三浦定俊((公財)文化財虫害研究所) |
掲 載 | : | 防菌防黴,Vol.40,No.6,pp.343-350(2012) |
IPM(Integrated Pest Management,総合的有害生物管理)はもともと1960年代に農業分野で生まれた生物被害防除の考え方であるが,文化財保存の分野でも2004年末に殺虫燻蒸剤としての臭化メチルがオゾン層破壊物質として使用できなくなったことを受けて,IPMが注目されるようになった。ここではわが国の文化財分野における生物被害防除の歴史,その中での文化財IPMの意義や,現在の文化財IPMの展開の状況などについて,九州国立博物館(福岡)における実践を例に述べる。
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