本論文では,次亜塩素酸ナトリウムおよび焼成カルシウムを用いて種子に付着させたEscherichia coliの殺菌について検討を行った。まず,従来法である次亜塩素酸ナトリウムを用いて種子殺菌を行ったところ,種子に付着させたEscherichia coliを殺菌することができたが,同時に発芽率やスプラウトの成長の阻害が認められた。そこで,低濃度の次亜塩素酸ナトリウムを用いて同様に実験を行ったが,発芽や成長を阻害することなく殺菌することは困難であった。そこで次亜塩素酸ナトリウムに替わる種子殺菌法として焼成カルシウムによる検討を行ったところ,低濃度で長時間の処理を行うことで発芽率や成長にほとんど影響を与えることなく,種子に付着させたEscherichia coliを制御することが可能であった。以上のことから,焼成カルシウムの種子殺菌利用の有用性が示唆された。
Key words |
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Calcinated calcium(焼成カルシウム)/Sodium hypochlorite(次亜塩素酸ナトリウム)/Escherichia coli(大腸菌)/Seed sterilization(種子殺菌). |
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