日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 40, No.7 (2012)



表 題 焼成カルシウムによる発芽・成長に配慮した種子殺菌法の構築(技術論文)
著 者 伊勢田弘太郎(北九州市立大学大学院国際環境工学研究科),大中真莉子,二宮純子,森田洋(北九州市立大学国際環境工学部)
掲 載 防菌防黴,Vol.40,No.7,pp.415-422(2012)

本論文では,次亜塩素酸ナトリウムおよび焼成カルシウムを用いて種子に付着させたEscherichia coliの殺菌について検討を行った。まず,従来法である次亜塩素酸ナトリウムを用いて種子殺菌を行ったところ,種子に付着させたEscherichia coliを殺菌することができたが,同時に発芽率やスプラウトの成長の阻害が認められた。そこで,低濃度の次亜塩素酸ナトリウムを用いて同様に実験を行ったが,発芽や成長を阻害することなく殺菌することは困難であった。そこで次亜塩素酸ナトリウムに替わる種子殺菌法として焼成カルシウムによる検討を行ったところ,低濃度で長時間の処理を行うことで発芽率や成長にほとんど影響を与えることなく,種子に付着させたEscherichia coliを制御することが可能であった。以上のことから,焼成カルシウムの種子殺菌利用の有用性が示唆された。

Key words Calcinated calcium(焼成カルシウム)/Sodium hypochlorite(次亜塩素酸ナトリウム)/Escherichia coli(大腸菌)/Seed sterilization(種子殺菌).