乳業界は,バイオフィルムに起因すると思われる微生物事故を設備の改善,洗浄・殺菌方法の向上等によって近年激減させており,国際酪農連盟(IDF)が発行しているIDF Bulletinでも2000年以降に発表された文献はほとんどない。 一方,海外ではListeria monocytogenesを構成成分とするバイオフィルム起因の食中毒が数多く発生し,死者数も多いことから大問題となっている。それらは,開放系の設備で処理されたものが多数を占めている。さらに開放系設備は閉鎖系システムと比較して洗浄性,殺菌性が劣ることから,それらの問題も重要視されている。 そこで,乳業で過去に多発した微生物事故の教訓から,設備の構造,運転,日常管理,洗浄及び殺菌等,各要件について紹介する。
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