日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English
防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 40, No.8 (2012)



表 題 文化財の生物被害の現状と対策[6]
土中にある漆喰壁画に取り得る対策とは-高松塚古墳壁画の生物劣化の経過と要因
著 者 木川りか((独)国立文化財機構 東京文化財研究所)
掲 載 防菌防黴,Vol.40,No.8,pp.505-519(2012)

高松塚古墳壁画は,古墳環境の中でカビなどの微生物による被害の進行を阻止するための有効な手段がみつからなかったことから,それ以上微生物による劣化が進行しないように2007年に石室解体によって壁画が保護され,現在,修復施設において壁画のクリーニング・修復作業が進められている。本稿は,高松塚古墳壁画の生物劣化の経過についてまとめることを通して,高松塚古墳,キトラ古墳のように土中にある漆喰壁画の生物劣化対策は,どのようにあるべきか,またどのような手段がありうるのかという課題について,今後議論の土台にすることを願うものである。

Key words Mural paintings(壁画)/Biodeteriora-tion(生物劣化)/Takamatsuzuka tumulus(高松塚古墳).