バシラス属などの芽胞形成細菌は,生育環境中の栄養分が枯渇するとその情報が菌体に伝わり,芽胞を形成する。芽胞は休眠状態にあり,劣悪な環境中でも長期間にわたり生存して生命の維持を図る。しかし,ひとたび栄養分と接触すると,直ちに発芽して栄養増殖へ移行し,生命活動を再開する。 栄養分の枯渇などの情報は,細胞内の伝達系を介して芽胞形成関連遺伝子の発現を調節し,芽胞が形成される。シグナル伝達系として"リン酸基リレー",遺伝子群の発現調節系として"シグマカスケード"が機能している。 芽胞は栄養分と接触すると速やかに発芽が誘導され,栄養細胞に復帰する。外的環境の好転は,Gerレセプタータンパク質によって感知される。
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