表 題 | : | 細菌の分類と同定[2] 分類に必要な遺伝子解析 |
著 者 | : | 矢口貴志(千葉大学真菌医学研究センター) |
掲 載 | : | 防菌防黴,Vol.40,No.12,pp.797-803(2012) |
細菌の分類は形態的特徴,生理・生化学性状,化学分類学的性状の違いなどに基づいて行われていたが,その中には分類指標として不安定なものもあり,より客観的な指標として16S rDNAの塩基配列が使用されるようになった。しかし,16S rDNAの配列だけでは菌種の決定ができない場合もあり,より進化速度の早いhouse keeping遺伝子の配列を決定し,詳細な系統解析が行われているが,菌群ごとに選択される遺伝子が異なっている。さらに複数の遺伝子領域の配列をもとに菌株のタイピングを行うMLST,遺伝子配列による系統分類をベースに,種々の生理・生化学的性状や化学分類学的性状などを総合的に解析する多相分類も実施されている。
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